牛タン専門店 司

ごあいさつ

牛タンの魅力を伝えたい

20代の頃、右も左もわからぬまま牛タン業界に飛び込んだ荒幸司(牛タン焼専門店 司代表)。「味 太助」の主人と出会い、牛タンの仕込みを教わり、この世界の奥深さを知ることになる。以来20年以上、牛タンを焼き続けわかったことが二つある。商売は信頼が第一、そして牛タンは「焼き」が何より大事だということ。

悪戦苦闘しながら、
牛タンの仕込みを覚える。

高校卒業後に一度、大手スーパーに勤務した荒幸司はその後、牛タン店に転職する。もともとサービス業に向いていたのか、ほどなくして牛タン焼の老舗「味楽」から料理長として迎えたいという誘いがかかる。もちろん荒に異存はない。すぐに承諾する決断をするが、ことはそう簡単に運ばなかった。

「仕込み」。

最初の店では、工場で一括して仕込みが行なわれ、店には「あとは焼くだけ」という状態で牛タンが運ばれてきていた。しかし今度の店では違う。皮むきから始まり、全て自分で仕込みを行なわなければならないのだ。「どうすっぺ」。荒の正直な感想であった。

そこで味楽の女将の知己であった有名店「味 太助」の主人のもとで修業をすることになる。「仕込み」を徹底して教われ…と、女将から送り出された荒は、早朝から毎日仕込みに追われた。

もともと器用でもあった荒は、仕込みの手順を覚えるのは早かった。ただ、おいしい牛タンが仕込めなければ意味がない。来る日も来る日も仕込みを見て覚えた。家に帰ってからは、コンニャクを牛タンに見立て、包丁さばきを練習をした。仕込みがなんとか形になってきた頃、荒は自分の店に戻り、単身で仕込みをするようになる。「まだかけだしで仕事が遅いでしょ。夜営業の店なのに、仕込みは毎日朝8時からスタート(笑)。休む間もなく働いたけど、今思えばひとりで試行錯誤して作った経験がよかったんでしょうね」と荒は笑顔で話す。

炭火の状態を見ながら、
最良の火で焼くことが大事。

司では、オーストラリアの特定農場の上質な牛タンだけを使っている。肉がよいのだから、誰でもおいしい牛タンが焼ける、と思いがちだが「そうではない」と荒は話す。牛タンは「仕込み四分に焼きが六分」。どんないい肉だって、焼きで失敗したらおしまいだと荒は力説する。

そういえば司の牛タンは、外のカリカリ感と中のジューシーさが際立つ。

「弟子たちにもよく言うんですが、炭火をよくみて、最良の炭火で牛タンを焼けって」。そうは言っても網の下は全て炭火だ。どこが最良の炭火か、どう判断する? 「そこが経験です」。火の見極めができないと、おいしい牛タンは永遠に焼けないと荒は言う。たしかに荒の焼き方を見ていると、ある瞬間から急にスピードアップし、まるで炭火と格闘するようにして、牛タンを手早く動かし、裏返す。「ほらココ、今度はココ」と最良の炭火を教えてくれながら、大きな菜箸をブルース・リーのヌンチャクのように、高速で動かしていく。「あぁ、今がいちばん食べ頃だね」と差し出された牛タンは、たっぷりと肉汁が浮かび、まさに極上の味わいである。

「この味をね、世界中の人に食べてほしいんですよ」。

荒幸司のGYUYAN DREAMはこれからも続く。

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